充電だけで400kmも走る日産リーフ!気になるのは充電にかかる費用ですね。家庭で充電するとどれくらいかかるのでしょうか。電気自動車は本当にお得なのか検証してみましたので紹介します!
目次
リーフを自宅で充電する
リーフを満タンにするのに必要な電力量
リーフを自宅で充電するとどれくらいのコストがかかるのでしょうか。
充電に必要な電力量はリーフのカタログに載っており、3kWで16時間、6kWで8時間となっています。
3kW × 16時間 = 48kWh
6kW × 8時間 = 48kWh
40kWhの電池を充電するのに必要な電力量は48kWhとわかります。
この値が妥当なのか検証してみたいと思います。
40kWh ÷ 48kWh = 83%
つまりリーフの充電効率は83%となります。
リチウム電池の場合、直流充放電効率は95%程度と言われているので、効率83%と聞くと少し低すぎる気がしますよね。
家庭用の交流電流を電池で充電するための直流電流に変換が必要です。この交流から直流への変換効率は約85%と言われています。
日産|日産自動車、ニチコン製"EVパワーステーション"を活用した電力供給システム "LEAF to Home" を市場に導入
電池の直流充放電効率95%と電気の変換効率85%を掛け合わせると
95% × 85% = 81%
リチウム電池を充電する際の効率は約81%となります。
この値はリーフの充電効率83%と比べてかなり近い値であり、相互に妥当性があることがわかります。
スポンサーリンク |
|
満タンにするのに必要な電気料金
電気料金を28 円/kWhと仮定してみます。
これは中部電力の従量電灯Bの料金(一般家庭でよくつかわれる契約)です。
48kWhを充電するのに必要な電気料金は
48 kWh × 28 円/kWh = 1,344 円となります。
一回の充電で400km走行が可能なので、走行コストは
1,344 円 ÷ 400 km = 3.36 円/km となります。
走行コストと言われてもピンと来ないかもしれませんね。
実際に燃費に換算するといくらなのでしょうか。
リーフの燃費はどのくらい?
1,344円で400km走行できることを燃費に換算してみました。
燃費に換算するにあたって必要な値は2つです。
燃費 [km/ℓ] = 走行距離 [km] / 使用したガソリンの量 [ℓ]
= 400km / 1,344円で買えるガソリンの量 [ℓ]
となるのがわかります。
キーとなるのはガソリンの量ですね。
例えばガソリン単価が 100 円/ℓ だとすると 13.44 ℓ 購入できますが
200 円/ℓ だとすると 6.72ℓ しか購入できません。
ガソリン単価によってリーフの換算燃費がどのように変化するのか、グラフにしてみました。
スポンサーリンク |
|
グラフを見て頂くと分かる通り、ガソリン単価が上がるほどリーフの換算燃費が上がっています。
リーフの充電代金で同じ距離を走るためには、どれくらいの燃費の車となるかを示したグラフ、と読み替えてもらってもかまいません。
このグラフから読み取れることとして下記のことがあります。
ガソリン価格が上がるほどリーフがお得
ガソリン単価が上がるほど、リーフの換算燃費は高くなります。
単価が上がれば購入できるガソリンが少なくなるので、リーフと同じ距離を走るためには燃費がよくないといけません。
ガソリン価格が200 円/ℓのときにリーフと同じ距離を走ろうと思うと、60km/ℓの燃費が必要。ただし、現在の技術力ではそんな車は存在しない。
プリウスとリーフはどちらが燃費が良いか
実はこれは多くの人が気になっているところではないでしょうか。
プリウスPHVの燃費は37.2 km/ℓ です。
グラフより、この値はガソリン価格が125円の時のリーフの換算燃費です。
つまりガソリン価格が125円よりも高い場合、リーフはプリウスPHVよりも燃費がいいといえます。
リーフは同クラスの小型車と比べるとどれくらい燃費が良いか
小型車の燃費をざっくり15 km/ℓ とすると、グラフより、ガソリン単価が50円の時にリーフの燃費と同等であると言えます。
実は130円ほどのガソリンのほとんどは税金です。
税金さえなくなればガソリン単価50円も夢ではないですね。
政府は電気自動車を推奨している!?
税金がかかっているおかげで、電気自動車はガソリン車よりもお得にみえます。
つまり、政府はガソリン車を抑制させるためにガソリンに税金をかけていると言えますね。
このことは最近の各国政府のEV政策を考えると納得がいくかと思います。
経済産業省や国会議員はガソリンを使用することを「国富が流出している」と表現しています。
ガソリンはほぼ100%輸入に頼っているので、使えば使うほど日本からお金が出ていくことになるからです。政府としてはガソリン車を減らし、産油国から政治的アドバンテージを取りたいのでしょう。
なぜリーフの燃費はいいのか
ガソリン車よりもエネルギー効率がいい
エンジンというものの原理を考えてみると分かると思います。
ガソリン車は液体のガソリンを爆発させ、瞬時に気体へと変わる体積膨張からピストンを動かし、ピストンの直線運動を回転運動に変換しています。この際に非常に多くのロスを生んでいます。
①ガソリンを燃焼した際の熱
②気体が膨張するエネルギー
③エンジンの回転数上昇による摩擦ロス
④ピストンの直線運動を回転運動へ変換するロス
ガソリンを燃焼した際の熱
エンジン設計では①の影響は結構大きいです。
エンジンの出力は燃焼前と燃焼後の温度差に比例しますのでいかに熱い空気を排出するかにかかっています。
気体が膨張するエネルギー
エンジンの回転数が上がると②のロスが大きくなります。
ガソリンエンジンはガソリンを爆発燃焼させた時の体積膨張により力を取り出しています。
エンジンの回転数があがると次から次に爆発燃焼させなくてはなりません。
次の爆発燃焼に備えなるために、ガソリンの体積膨張の途中で排気に切り替えます。
爆発燃焼は短い間隔で起こるのでパワーは出ますが、エネルギーを捨てる分が多くなるので、どうしても効率は落ちてしまいますね。
エンジンの回転数を上げると出力が増えるけれど、燃費が悪くなるのは直観としてわかりますよね。
エンジンの回転数上昇による摩擦ロス
エンジンの回転数が上がれば、ピストンの動く回数ももちろん増えます。
そうすると一定時間での摩擦回数が増えますよね。
結果として摩擦によるロスが増えることになります。
ピストンの直線運動を回転運動へ変換するロス
タイヤを回すには回転運動が必要ですが、爆発で得られる力というのは、爆発元から遠ざかる向きへの一方方向です。
そのためレシプロエンジンでは、吸入、圧縮、燃焼、排気を繰り返して回転力を取り出しています。
空気を圧縮する際にはエネルギーを使うのでこの分は確実にロスになりますね。
RX-8などのロータリーエンジンではこの回転運動へ変換するロスは少なくなります。
スポンサーリンク |
|
電気料金が変動した場合の燃費の変化
簡単にまとめると、ガソリン車は自分でエネルギーを作り出して動力源とするので効率も悪いしコストも上がります。
対して電気自動車は発電所で大規模に作った電気のエネルギーを電池に貯めて走ります。当然エネルギー効率もいいし、自分でエネルギーを作り出す装置も必要ないからコストも下がりますね。
ガソリンエンジンのように非効率的な回転数で走行することを考えると、発電所のタービンは効率的な運転を出来るので安く電気を作ることが出来ます。とはいえ、原油価格が変動すればその分電気料金も値上がりする可能性があります。
電気料金が15円/kWh~60円/kWhで変動する場合に燃費がどの程度変化するかグラフにしてみました。
スポンサーリンク |
|
15円/kWhとは商業施設や工場などの大口契約の場合の一般的な料金です。
20~35円/kWhとは一般家庭で使う電灯Bの電気料金の値段です。
60円/kWhとは家庭の電気料金が2倍になったら、と考えてみました。
15円/kWhのラインを見てみるとガソリン価格120円/ℓの時、燃費は60km/ℓを超えます!
企業が工場内の移動用などに使うには申し分ないコストですね!
次に20~35円/kWhのラインを見てみましょう。
一般家庭で充電することを考えてみても、ガソリン価格が120円以上であれば30km/ℓ以上の燃費となります!ハイブリッドカーにこだわらなくても魅力的な数字が出せそうですね。
最後に電気料金が60円/kWhとなった場合を考えてみます。
こうなってしまうと換算燃費がものすごく悪く見えてしまいますね。
現在電気料金が高いのは、原発停止の影響と再生可能エネルギー導入の賦課金が大きいためです。
電気料金が今後上昇を続ければ、家庭での太陽光パネルの導入が進みますので余剰電力で自動車を無料充電できるようになるでしょう。
スポンサーリンク |
|
リーフの試乗記事についてはこちらをどうぞ!
いかがでしたでしょうか。何となく環境にいいといわれる電気自動車も、燃費に換算して見るといかにその性能がすごいかよくわかるかと思います!まだまだ発展途上な部分もありますが、今後の技術開発に大いに期待が持てそうですね!